あなたに伝えたいボルボの話 第2回
100年に1度の変革期を迎え
サービスのあり方も進化する
内燃機関から電気へ。さらに自動運転技術を活用した運転支援やコネクティッドへの対応など、急激に進化を続けるボルボ。大きく変わったボルボをどうすれば安全かつ適切にメンテナンスできるのか。カーライフを支えるサービスの仕事にスポットライトを当てる。
「現在のボルボ車は、驚くほど多機能で高度なメカニズム」
サービススタッフ、一般的にはメカニックという名前で呼ばれる彼らに対して、つなぎを着て寡黙にクルマと格闘するというイメージをお持ちの方が多いかもしれない。だがそれは、半分正解で、半分は少々古いイメージである。
ボルボがたゆまず進化を続けるように、安全で快適なカーライフを支えるサービススタッフたちの仕事も、じつは大きく変化している。
「ボルボ・カー 世田谷がオープンしてから20年になりますが、当時のボルボと比べると、現在のボルボは比べ物にならないほど、複雑で高度に進化しました」
そう切り出したのは、ボルボ・カー 世田谷でサービス部門を統括する松井さん。
「ボルボ・カー 世田谷が開業した20年前というと、クルマに電子制御が導入され始めたころです。それから比べると、現在のクルマは、驚くほど多機能になりました。自動ブレーキに代表される運転支援システムはその代表例ですし、インターネットにも接続されていて、車外からスマートフォンのアプリを使ってクルマを操作するといったことまでも可能になりました」
自動車業界はいま、100年に1度の大変革の時代にある。ボルボは2030年までにすべてのボルボ車をEVとする電動化戦略を進めており、現在新車で販売されるクルマは、すべてモーターが組み込まれる電動車となった。
当然、サービスにおいても、駆動用のリチウムイオンバッテリーなど電動車に対応する設備や知識が求められる。加えて、デジタル化、知能化が進む最新モデルを整備するためには、従来以上にコンピューターによる診断が欠かせないと言えるだろう。
ボルボ・カー 世田谷で副ゼネラルマネジャーを務める松井さん。サービス出身のキャリアを活かしてサービス部門を取りまとめている。大きく変化するクルマに合わせて、サービス部門のあり方も変化させ、顧客満足度向上へとつなげていく。
デジタル技術と人間の力、
双方が求められる整備の現場
「確かに現在のボルボ車を整備するためには、正規ディーラーにしかない診断機は必要不可欠です。診断はもとより、各種ソフトウェアの更新も、この診断機を通じて行うからです。ですが、コンピューターによる診断ですべての不具合がわかるかというと、決してそうではありません。診断結果を参考にしながらも、クルマの内部で何が起きているのかを見極める必要があるのです」
なぜエラーが表示されたのか。不具合の原因は? 本当に交換すべき部品は何か? サービススタッフには、車両構造への理解と洞察力が求められる。
優れたボルボ車のポテンシャルを発揮させるために。ボルボでは、研修などに加え、1980年からアフターセールスを対象とした競技大会を行っている。これもアフターセールスのスキル向上を目的にした施策のひとつだ。松井さんは、ボルボ・カー 世田谷は若い世代のスタッフが多く、新しい技術の習熟にも積極的で頼もしいと目を細める。技術を使いこなすのは人間の力であり、それはいつの時代でも変わらない。
入庫した車両はテスターによって診断を受ける。診断結果は非常に細やかではあるが、なぜそのエラーが発生したのか、根本原因を特定しながらの作業には日頃の研鑽と経験が必要となってくる。
作業を担当するサービスがユーザーと直接対話
どうすれば顧客に満足してもらえるのか。開業から20周年を迎えたボルボ・カー 世田谷では、さらなる顧客満足度向上にむけ一丸となって取り組んでいる。そのなかでサービス分野でも新しいチャレンジが始まった。それが、サービススタッフがユーザーと直接対話し、愛車に関する困りごとを解決していくということ。
従来、ユーザーの窓口は担当セールスで、点検や修理などの相談は、セールスからサービスへと申し送りされる形で伝えられた。しかしそのことが原因で、細やかなニュアンスが伝わらなかったり、解決までに時間がかかってしまうケースが残念ながらあったという。そこで、2023年からはクルマを点検・修理するサービススタッフがユーザーと直接対話するように方針を変更。
同時に、作業の工程を撮影し、納車時にユーザーにどのような作業を行ったかタブレットで写真を見ながら説明できるようにしたという。わかりやすいし、安心感もまったく別の次元になるに違いない。
どうすればユーザーとさらなる信頼関係を築くことができるのか。試行錯誤はいまも続いている。
敷地内にサービス工場が併設されていることで、迅速かつ安全に点検・修理は行われる。作業時は、車両の状態を撮影。どのような作業を行ったのかが、ユーザーからも一目でわかる工夫だ。
板金などの作業が必要な場合は、ボルボ・カー・ジャパンの運営する拠点にて作業を実施。板金塗装においてもボルボの品質が保たれる。
作業を実施したサービススタッフがタブレットを使い、状況や交換した部品などの様子をユーザーに直接説明する。
SHOP DATA
ボルボ・カー 世田谷
所在地:東京都世田谷区用賀1-10-15
電話番号:03-5491-1611
営業時間:10:00〜18:00
定休日:毎週水曜日、第1・第3火曜日定休
過去記事
あなたに伝えたいボルボの話 第1回
ボルボ一筋のベテランが語る
「ボルボを選ぶひとたち」